発語のない利用者様のコミュニケーション その3
昭島市にある生活介護笑プラスより、
『物を投げること』といういわゆる問題行動もよく観察するとなかなか興味深かったので、今回はその話をご紹介したいと思います。
発語のない利用者様というか、発語はあるけど必要なこと(特に援助要請)を話さない利用者。スプーンを投げる彼の話です。
スプーン以外にもいろいろと投げるので今回はその話。
ちなみに5分ほどの動画はこちら↓
いわゆる休憩時間の過ごし方はもちろん利用者様によって違います。
活動と活動の隙間時間のことなのですが、特に昼食後の隙間時間は少し長くなってしまうので、過ごし方には工夫が必要です。
この時間、スプーンを投げてしまう彼は『通称ビー玉スライダー』で遊んでいます。
調子よく遊んでいるときはいいのですが、しばらくするとビー玉を投げ始めてしまいます。
誰かにぶつけるという感じではないのですが、推奨している遊び方ではありません。
とはいえ、一人で遊んでいる時間も長くなったような気もします。
そんな彼を見ていて思ったこと、
①調子よく遊んでいて、時々ビー玉を投げてしまうのは、かまってほしいから?
→この場合、ビー玉を拾って渡してあげるとすぐに遊びに戻ります。
②その後しばらくして、同じようにビー玉を投げてしまうのは、飽きてしまったから?
→この場合、ビー玉を拾って渡しても、すぐにまた投げてしまいます。
どうやら、自分を見てほしいというメッセージと飽きたから別のがほしいというメッセージが、同じ投げるという行動で表現されているようです。
違いは、職員が拾って本人に渡した後、遊びを続けるか繰り返し投げてしまうかというところでしょうか。
というのが最近の私の見解です。
①の対策としてはビー玉を投げられる前に時々様子を見に行っています。
②の対策としては別のスライダーか型はめパズルを渡しています。
これらを意識しつつ様子を見たところ、食後の時間がだいぶ安定してきた印象です。
良い傾向だと思っています。
というわけで、食後はビー玉スライダーで大丈夫。
などと考えていたら、どうやらビー玉スライダーそのものに飽きてしまったようです。
最近はペットボトルキャップがお好みのようですね。
自閉症のある人は、好みの遊びを延々とやっていることもありますが、
同じことをやっていると飽きてしまうというのもまた自然なことだと思います。
ですので今後は、
〇投げる以外の方法で『取り替えてほしい。』と発信できる方法
〇投げる以外の方法で『今はやりたくない。』と発信できる方法
『本人が何らかの方法で意思を伝えられる』
そんなツールや仕組みを生み出せるよう職員一同試行錯誤しております。
かまって欲しいという気持ちは・・・
わからなくないですね。
入室前のアルコール手指消毒が苦手な利用者様が見受けられますが、
気が付いたら消毒できるようになっていてちょっと驚きました。
続けることって重要ですね。ニューノーマルを獲得しているようです。
以上、生活支援員の紙谷でした。