本人にとって学習しやすい方法とは? ~レディネス課題~
毎日暑い日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
東京都昭島市にある、重度知的障害者生活介護事業所 笑プラス(えみぷらす)生活支援員の勝井です。
笑プラスでは、作業時間に自立作業課題を提供しています。自立課題は、ご自身で理解して取り組み
ご自身の力で達成できることを目的としています。
(自立作業課題の例:プットイン、マッチング、プロセス課題)
プットイン(ボールを箱に入れる) マッチング(色を合わせる)
プロセス作業課題(瓶の蓋を閉める)
今回は、K様が取り組まれている作業課題のうち、レディネス作業課題とよばれる課題について
紹介したいと思います。
レディネス作業課題とは?
レディネス課題=手順確認課題
活動の手順や流れを事前に学習・確認し、実際の場面でも適切な行動ができるようにすることを
目的とした作業課題のことです。
K様は20代前半の女性であり、周囲の刺激や環境の変化に影響を受けやすく、他害などの不適切行動に
発展してしまう場合もあるという課題をもっています。
今回は、そんなK様に提供しているレディネス作業課題をご紹介したいと思います。
~散歩編~
以前、冬の散歩時に気温が低いにもかかわらず、上着を着用しない(または着用拒否する)といった行
動が見られていました。また、散歩の途中で上着を取りに戻りたいと訴えられることもありました。
そこで、散歩出発前の手順を確認していただくため、
下の写真のようなレディネス作業課題を提供しました。
このレディネス課題では、散歩の時間になったら、
①靴を履く
②上着を着る
③玄関に出る
という流れをマッチングすることで確認していただきます。
この課題を提供した結果、自発的に上着を着ることが増加していき、レディネス作業課題はK様の
特性に当てはまるものであり、本人にとって学習・理解しやすいものであることがわかりました。
他にも、食事前後の流れなどもレディネス作業課題として提供しています。
~食事編~
食前
①手指のアルコール消毒をする
②食席へ行く
③ご飯を取りに行く
食後
①下膳する
②アルコールが噴霧されたペーパーを取る
③机を拭く
食事の場面でもレディネス作業課題を通して、食前と食後で適切な行動をとることが
できる様子が伺えています。
さいごに
これらのレディネス作業課題に取り組むことでご自身が行うことを確認し
周囲の刺激に影響を受けずにご自身のやるべきことに着目できるようになってきています。
今回ご紹介したK様のレディネス作業課題については、様々な支援の内の1つです。
ご紹介したようにレディネス作業課題を通して事前に適切な行動をお伝えする手法が
K様に対してはとても効果的だと考えれます。
ただ、利用者様によって合う支援方法は千差万別です。
笑プラスでは通所されている全ての利用者様に、最適な支援を行えるように
日夜努力をしております。
そんな中、今回は上手くいった例をご紹介させていただきました。
現場からは以上です。