私たちはご利用者の皆さまとこのようにコミュニケーションを取っています!

こんにちは。社会福祉法人SHIP 生活介護笑プラス(えみぷらす)の生活支援員、久保田です。

春らしい陽気が増える一方、花粉に悩まされる方も多いのではないでしょうか?私も今年からその一人です。

   

さて、今回は笑プラスを利用頂いているご利用者のご家族の皆様へ向けてお話をいたします。

テーマは、支援員とご利用者のコミュニケーションについてです。

大切なご家族を安心して笑プラスへお任せいただけるよう、私たち支援員がご利用者の皆さまとどのような考えで、どういったコミュニケーションを行っているのか、これをご家族の皆さまにも知っていただきたいと思います。

①コミュニケーションについて
②それぞれに合わせたわかりやすさの追求
③最後に

① コミュニケーションについて

私たちは日常で“言葉”を使ってコミュニケーションを取る事が多いですよね。

「おはよう」「ありがとう」「散歩へ行こう」などなど…お互いの意思を、言葉を用いる事で理解しています。

しかしこの“言葉”というものは、とても便利でありながらとても不便でもあるのです。

なぜならば、一つのワードに無数の意味や情報が含まれている事も多いからです。

例えば

“甘い”という形容詞。
“味付けが甘い”の他に“考えが甘い”という意味でも使われたりします。

更に

嫌味を言われた時に“あなたはほんと良い性格してるね!”と皮肉の言い方で返す
“ええ時計してはりますなぁ(時間を見なさい=そろそろ帰りなさい)”と伝える

など、意図的に逆の意味合いで用いられたり、深掘りして意味の理解を求められる事もあります。

↑は極端な例ではありますが、そんな“言葉”をコミュニケーション手段として用いていると、時々誤解や混乱を招く事があります。

それはご利用者の皆さまも同じです。

こちらにお伝えしたい事があっても、言葉というフィルターを通すと上手く伝わらない事があるのです。

なので私たち支援員は、基本的に言葉に頼らない方法でコミュニケーションを取っています。

では、どういった方法を用いるかと言いますと、“目で見てわかるもの(視覚的な情報)”を中心に活用する方法です。

人は情報の8割くらいを目から得ているとも言われています。

特に自閉スペクトラム障害のある方は、より視覚に頼って情報を得る傾向にあります。

そのため視覚的な情報を用いる事で、よりわかりやすくコミュニケーションを図る事ができるようになります。

例を挙げてご説明します。

 

“からだが赤いネズミを追いかける猫” のイラスト

 

みなさんはこの言葉を聞いて、どのようなイラストを思い浮かべましたでしょうか?

 

 

では、次にこのイラストをご覧ください。

イメージした物はどちらだったでしょうか?

そうです、上に挙げた言葉はどちらとも解釈でき、どちらも正解となり得ます。

からだが赤いネズミ、を追いかける猫
からだが赤い、ネズミを追いかける

わかりやすく区切るとこのような形になりますが、口に出して伝えると中々区別はできませんよね。

もしかしたら、これらとはまた別のイメージを思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。

それくらい、言葉には色々な情報が詰め込まれているのです。

誤解が生じるのも無理はありませんね。

では、上記で正しく伝えたかった内容を、イラストでお見せするとどうでしょう。

目に入ってきた情報がそのまま答えになりますよね。

このように、視覚的な情報を基にコミュニケーションを図る事で、お互いに誤解の無いやりとりを行いやすくなるのです。

② それぞれに合わせたわかりやすさの追求

しかし、ただこちらが安易に用意した視覚的な情報で物事をお伝えするだけでは、ご利用者の方々へ上手く伝わらない事も多いのです。

なぜなら、ご利用者のみなさま一人一人にとっての“わかりやすい情報の形”が違うからです。

例えば、これから公園まで散歩に行く事をお伝えしたいと思った時。

Aさんは、散歩している人のイラストをお見せするとわかりやすい

 

 

 

 

Bさんは、行き先である公園のイラストをお見せするとわかりやすい

Cさんは、公園の中にある、特徴的な場所のイラストを見せるとわかりやすい

Dさんは、イラストではなく実際の写真をお見せするとわかりやすい

Eさんは、「こうえん」の文字をお見せするとわかりやすい

 

などなど千差万別です。

尚、ご利用者によっては言葉を用いてコミュニケーションを行う方もいます。当然、その際はご本人に合った語数や言い回し、タイミングなどをしっかりと考えた上でお伝えするようにしています。

このように、いくら視覚的情報がわかりやすいと言っても、その方に合った情報の形で提供できなければ意味がありません

お伝えした事が上手く伝わらなかった時、それはご利用者本人に問題があるのではなく、こちらの伝え方に工夫の余地があるという事です。

そのため私たち支援員は、日々ご利用者の皆さまそれぞれに合った“わかりやすい”を探し、お一人お一人との最善のコミュニケーション方法を追求し続けています。

極端な言い方ですが、どなたへも同じ伝え方、同じ対応、同じ取り組み…そんな画一的な方法も、やろうと思えばできてしまいます。

しかし、決して笑プラスはそうしません。

お一人お一人が最もその人らしく過ごせるよう、日々全力で考えているからです!

③ 最後に

今回はご利用者の皆さまと支援員とのコミュニケーションについてお話しさせていただきました。

ご家族の皆さまにも、私たち支援員が行っている支援を知っていただき、大切なご家族をより安心して託していただければ幸いです。

今後もご利用者の皆さまが安心、安全に、楽しく過ごせるよう、全力で取り組んでまいります。

 

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