【色々あります】自立作業のワークシステム
皆様、猛暑日が続く中いかがお過ごしでしょうか。
昭島市にあります生活介護 笑プラスの生活支援員 越村です。
今回は自閉症や重度知的障害等がある利用者様が自立作業を行う際の枠組みとして、使用しているツールについてのご紹介をしてみたいと思います。
ワークシステム
一口に自立作業といっても利用者様それぞれに作業内容や量、実施方法は様々です。
今回はそんな中で「ワークシステム」に着目していきます。
ワークシステムとは
「どのくらいやるのか」
「なにをやるのか」
「どうなったらおわりなのか」
「どの順番でやるのか」
等を順序立てて視覚的にわかりやすく伝えるものです。
笑プラスでは利用者様の能力や障害特性に配慮して、少しずつ形を変えたワークシステムを提供しています。
では実際にどのようなものがあるのかご紹介していきます。
ボード式マッチングワークシステム
マッチングボードの色カードと課題容器に貼ってある色をマッチングして使用するものです。
課題とマッチングボード
このように、上から順番にマッチングして、課題に取り組んでいきます。
「上から下に順番通りに」
「あとどのくらいやれば終わりなのか」
等を視覚的にわかりやすく理解していただくことが狙いとなっています。
めくり式マッチングワークシステム①
こちらは先ほど説明したものとマッチングする部分は同じなのですが、「ボード」ではなく「めくり式」になっています。
めくり式のワークシステム
めくりカレンダーのような形状になっています。
めくる度に次の色カードが出てくる構造になっています。
使用方法は
①めくり式の色カードを取り
②課題の色カードとマッチングをして
③課題を取り出します
実施順番ですが、このめくり式は上から順番ではなく、めくり式の順番で色をマッチングしていきます。
めくり式はボード式と比較して情報量が少ないことがポイントになっています。ボード式では色カードがずらりと並んでいますが、めくり式では一色毎の表示となっているので、情報量は限定されています。
視界内に複数の情報があると処理が苦手な方にマッチしていますね。
また、「めくる」という動作が加わることで、切り替えに繋がることも狙いとなっています。
めくり式マッチングワークシステム②
こちらは自席にある作業棚ではなく、別の場所にある棚にマッチングをしに行く方式になっています。
こちらが、作業棚に収納されている課題です。
こちらは、ご利用者様の席です。
めくり式の絵と同じ課題をマッチングしていきます。
使用方法は基本的にはめくり式マッチングシステム①と同一ですが、自席から棚に移動してマッチングをする部分が肝となっています。
立ち上がりと移動を伴うことで「手順の学習が進みやすい」「切り替えがしやすい」等のメリットが挙げられます。
ご本人にあったものを
皆様いかがでしたでしょうか。
一部ではありますが、笑プラスで使用しているワークシステムをご紹介いたしました。
自閉症、重度知的障害といっても、利用者様それぞれで「強み」「得意なこと」「特性」等は違ってきます。苦手なことを押し付けてもなかなか学びはありませんが、得意なことであれば意外なほど学習が進むといったケースもあります。
利用者様毎にマッチした仕組みを作ることで、段階的にできることが増えていったり、他の場面で応用ができるようになることがあります。支援者としてはとても喜ばしいことですね。
そんなことを目標に日々試行錯誤を繰り返しております。
それでは、またの機会に、ご紹介させていただければと思います。