いっしょに笑おう
私達はご本人の特性を理解し、
個別化した活動を大切にします。
生活介護笑プラスでは、言語理解やコミュニケーションに困難さをもつといった重度障害者(知的・精神)の特性を理解し、ご本人の「できる部分」「できそうな部分」を職員全員で繰り返しアセスメントします。
そして、作業内容はもちろん、作業量や休憩時間も含めた個別化した活動を提供し、利用者様一人ひとりが自分らしく生き、笑顔になることを目指します。

-簡単な自己紹介をお願いします。
関田) 生活介護「笑プラス」でサービス管理責任者をしている関田信弘と申します。
-どんな仕事をしているのですか?
関田) サービス管理責任者(事業所で適切なサービスが提供できるよう全体的な管理を行う役割)をしており、事業所全体のマネジメントが主な業務になります。
「笑プラス」では、支援に「TEACCHプログラム(「自閉症及び、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育」と訳される)」を導入しています。
絵やイラストなどによる非言語のコミュニケーションを活用し、言語コミュニケーションに課題を抱える利用者様とも自由にコミュニケーションができる仕組みを構築しています。

-転職のキッカケや入社理由を教えてください。
関田) 16年ほど老人ホームで高齢者介護の仕事をした後、障害福祉の分野に移りました。
障害福祉では他法人の就労継続支援B型で3年ほど勤務し、SHIPの生活介護「笑」のオープニングスタッフとして採用されて、現在で4年目になります。
オープニングスタッフに魅力を感じた理由は、事業所の立ち上げから関わることで、自分の知識も、事業所の成長も、一緒に積み上がっていくところに魅力を感じました。

-福祉の仕事をしてきて「得たもの」とはなんでしょうか。
関田) 仕事に対する明確な使命感や責任感です。
老人ホームで自分が担当していた方のご家族から、感謝の言葉をいただいたことがありました。でもそのときに思ったのは、「感謝してくれて嬉しかった」ではなく、「もっと何かできなかったか?」でした。
その老人ホーム(老人保健施設)は入居期間が半年や1年程度だったので、頻繁に利用者様の入れ替わりがありました。そういった環境だったので、働きはじめた当初は、あまり感情を入れずに淡々と仕事をこなしていました。
でも、老人ホームに入居される方々の中には、自宅でご家族が看ることができない、一人では暮らせない、といった事情により、しぶしぶ利用している人がたくさんいらっしゃいます。
そう考えると、「たとえ入居期間が決まっていたとしても、その時間いっぱい満足いくサービスを提供していきたい!」と考えるようになりました。その考えは、今でも変わりません。

-笑プラスでは、どのように利用者様と接していますか。
関田) 皆さんの「生活の質が向上する」ように、常に心がけています。
重度の知的障害や自閉症のある人たちへの「生活の質の向上」に必要な支援は、必ずしも一般の常識と同じではありません。
SHIP入社初日のことです。上司が私に言った言葉が「今日一日、利用者様と喋らないでください。目も合わせないでください」というものでした。意外かもしれませんが、それが一番の当事者目線で、より良い支援の方法だったのです。
言語コミュニケーションの難しい人たちの視点に立つと、何を言われたかではなく、どんな反応があったかで、自分の行動の良し悪しを学習していることが分かります。
ですから、俗に言う問題行動の後にはあえて「反応しない」という対応が必要になります。「反応がなかった」=「この行動には意味がなかった」とご理解いただく支援が必要になるということです。

関田) 生活介護の事業は「障害福祉サービス」という括りになるので、いわゆる「サービス業」の側面をもっていることになります。そのサービスを受ける人に対して「反応しない」という対応は、一般的にはちょっとズレている感覚だと思います。
しかし、重度の知的障害や自閉症をお持ちの人たちに対しては、あえて当事者の視点に立って関わることが、社会生活上の適応につながり、「生活の質の向上」にもつながっていくのです。
このような専門的な知見を生かして、質の高いサービスを提供していくよう心がけています。

-最後に、「笑プラス」の雰囲気や今後の目標を教えてください。
関田) 雰囲気は、とにかくコミュニケーションが活発ですね。仕事中、お昼休み、帰る前、年齢層も関係なく話せている印象です。その雰囲気は利用者様に対しても同じです。
今後の目標は、TEACCHプログラムを通して利用者様の「生活の質」を高めていくことです。
事業所のレベルを上げることが目標ではありません。それは、利用者様の「生活の質」を上げることで後からついて来るものだと考えています。
ここの職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

-簡単な自己紹介をお願いします。
越村) 生活介護「笑プラス」で主任をしている越村と申します。
-どんな仕事をしているのですか?
越村) 主に重度(障害支援区分5~6)の障害のある利用者様の生活介護をしております。利用者様は、知的な障害や自閉症があって発語が難しい方が多いです。
そのため、こちらの期待していることをできるだけ視覚的に伝えるようにして、言葉のやり取りはあまりしないようにしています。
利用者様が一日の見通しを持って過ごせるように、一人ひとりの情報処理の力に合わせた『スケジュール』を作成し、やることを見える化して分かりやすく伝えています。
また、私たちスタッフが首から下げている『コミュニケーションカード』というものを使って、「散歩」とか「トイレ」のカードを指でタップしてもらうことで意思疎通を図ったりもしています。

-転職のキッカケや入社理由を教えてください。
越村) もともとは教員になろうと考え資格も取ったのですが、アルバイトをしていた飲食業に興味が湧き、大学を卒業後には外食産業の大手企業に就職しました。
そこで10年近く働き、複数の店舗を統括するエリアマネージャーにもなりました。キャリアとしては申し分なかったのですが、24時間電話に出なければならないような役割になり、とても家庭との両立が難しいと感じるようになりました。
そういった事情もあって、「もっと直接的に誰かの役に立つ仕事がしたい」と思うようになり、福祉業界へ興味が湧き、高齢者介護の会社へ転職をしました。
老人ホームや訪問介護、認知症グループホームなどの仕事に携わり、前職と同じように管理者としてマネジメントを任せてもらうまでになったのですが、もっと余裕を持って働くことができる職場を探していたところ、社会福祉法人SHIPの求人が目にとまりました。調べてみてそのチャレンジングで前向きな姿勢に共感して応募し、「笑プラス」で働くことになりました。

-「笑プラス」での仕事のやりがいは、どういったところにあるのでしょうか?
越村)正確なアセスメントを通して一人ひとりの特性をちゃんと理解すること、そして特性に合わせた支援を提供することで利用者様が学習を重ねて成長していく姿をみることが、すごくやりがいにつながります。
たとえば、利用者様の「先の見通し」のつかない不安な状態を解消するために、「笑プラス」では『トランジションエリア』というスケジュールを確認する場所を設けています。

トランジションエリアのスケジュールカードの提示方法にも工夫が必要で、一度にたくさんのカードを見せたり、毎日違ったカードを見せたりすると混乱させてしまいます。
そのため、「最初は1つだけ」そして「次はこれ」と、一人ひとりの想像力に合わせて提示する枚数を調整することで、スケジュール通りに過ごせるようになっていきます。
このように利用者様一人ひとりの特性に合わせた環境をつくることで、安心して落ち着いて過ごせる時間が増えていく様子をみると、「やって良かった!」のやりがいにつながります。

-最後に、「笑プラス」の雰囲気を教えてください。
越村)みんなで声をかけあうことがとても多く、話しかけやすくて明るい雰囲気ですね。
入社して間もないころ、私の担当の利用者様が机を揺らす行動をされていました。当時の私は、「なんでこういう行動をされるのだろう」「自分の支援の方法が悪かったのだろうか」と考えてしまいました。
そこで独りで抱え込まずに気兼ねなく相談ができる雰囲気があったので、実際に他のスタッフさんに相談してみました。
こういった支援のお仕事は、正解があらかじめ用意されているものではなく、むしろ試行錯誤していって、その利用者様にとってのやりやすい、過ごしやすい支援方法を見つけることが多いのです。

だから、「まずやってみて」「結果こうだったら、次はこうしてみる」ということの積み重ねが大事なのだと実感できました。
後ろ向きにくよくよと考え込んで何もできなくなる事もあるため、日中過ごされている利用者様の行動をよく観察し、より良い支援の第一歩として少しでも進むことで前向きに捉えられるようになったのは良かったです。
こういったポジティブな姿勢でいられるのも、「笑プラス」の雰囲気のおかげかなと思っています。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

―福祉の仕事に携わるようになったきっかけを教えてください。
久米)もともと子どもが好きで、子どもに関わる仕事をしたいという思いがありました。
子育ての中で、発達に特徴のあるお子さんや障害のあるご家庭と関わる機会が増え、「福祉」という分野に関心を持つようになりました。
それから高齢者施設や障害者施設、救護施設、病院など、さまざまな現場で経験を積み、今の自分につながっています。

―社会福祉法人SHIPを選んだ理由を教えてください。
久米)子育てもひと段落し、5年後・10年後の自分を考えた時に「もう一度、本当にやりたい仕事に挑戦したい」と思いました。そんな時に出会ったのがSHIPでした。
これまでの転職は人に誘われて決めることが多かったのですが、SHIPだけは自分の意思で選びました。
入社後は想像以上に学びが多く、支援のレベルの高さに驚きました。
最初の半年はついていくのに必死で「転職を間違えたかも」と思ったほどですが、今ではその経験がすべて成長につながっています。

―笑プラスにはどんな方が通われていますか?
久米)20〜30代が中心で、男女比はほぼ半々です。重度の知的障害や精神障害、特にASD(自閉スペクトラム症)で強度行動障害のある方が多く通われています。
言葉で気持ちを伝えることが難しい方が多いため、私たちは「観察力」をとても大切にしています。
たとえば、ADHDと感覚鈍麻の特性を持つ方の場合、熱があっても体調の変化に気づけないことがあります。
いつもと同じように動き回っていても、「顔が赤い」「手が熱い」「少し表情が違う」といった小さなサインに気づけることが支援の第一歩です。
言葉を持たない方の支援では、支援者が『代わりに気づく』ことが本当に大切だと感じています。

―笑プラスの支援の特徴を教えてください。
久米)私が力を入れているのは「環境づくり」です。
強い刺激や人の動きが混乱につながる利用者様もいらっしゃるため、支援者の動作や声、言葉が刺激にならないよう、活動中の私語は極力控えています。
また、光の入り方や動線を調整し、穏やかに落ち着いて過ごせる空間を整えることで、安心して活動に取り組めるようにしています。
「人も刺激になる」という視点をスタッフ全員で共有しているのも笑プラスの特徴です。
チームで気づきを持ち寄り、個別に合わせた支援を徹底することで、支援の質が高まっているのを感じます。

―日々の支援で印象に残っていることはありますか?
久米)ある利用者様は、言葉の代わりに「座り込む」「泣く」「自傷」といった行動で気持ちを表していました。
ご自宅ではほとんど動かない方でしたが、笑プラスでは活動に参加し、笑顔を見せてくれることが増えました。その姿を見た時、「ここに来ること自体が、この方にとって大きな一歩なんだ」と感じました。
私はよく「利用者様が先生」と言っています。
私たちは支援を通して教える側ではなく、利用者様の行動や表情から『支援の正しさ』を教えてもらっている。
日々の関わりを通じて、私自身も成長させてもらっているんです。

―最後に、保護者や支援機関の方へメッセージをお願いします。
久米)見えないことへの不安は当然だと思います。
だからこそ、ぜひ現場を見ていただきたいです。
笑プラスでは、利用者様が安心して過ごせること、ご家族が「ここなら任せられる」と思えること、その両方を大切にしています。
スタッフ全員が『その人の世界に寄り添う支援』を目指しています。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

-簡単な自己紹介をお願いします。
折笠) 生活介護「笑プラス」でオープニングから生活支援員として働いている折笠です。
福祉の仕事は、就労支援や療育の経験があり、おもに知的障害や発達障害の方々に対する支援に携わってきました。
療育の現場で、ダウン症と重度の知的障害をお持ちのお子さまとの関わりに苦労して、支援方法を試行錯誤した経験があります。
最終的にはよい関係を築けたのですが、このようなお子さまが将来的に通うことになる生活介護の事業に興味を持ちはじめ、「笑プラス」への入社を決めました。

-どんな仕事をしているのですか?
折笠) 正職員の常勤スタッフと非常勤のパートスタッフとで、3~4人のチームを組んで利用者様の支援にあたっています。
支援の方針などは正職員から伝えられるので、しっかり連携を図れるように情報共有を大切にしています。
まずは、利用者様の作業場面など活動の様子をアセスメントします。所定のシートをもとに観察し、記録をおこないます。そして、その結果を分析して、今度は構造化など実際の支援に入っていく流れです。

-重度知的障害をお持ちの方への支援において、とくに気をつけていることはありますか?
折笠) たとえば、外出支援の際、急な飛び出し防止のために『手をつなぐ』ことがあります。
私たちはこの手つなぎを「危険防止のため」と理解をしますが、利用者様にとっては少し違う理解につながってしまいます。
たとえば、『手をつなぐと外に出られる』と理解されたり、『靴を履いたら手をつながなければならない』となるかも知れません。
このように、ある種の不要なこだわりを生み出す可能性についても考慮しなければいけません。
ですから、なるべく支援は引き算ということを意識して、手をつながなくても一人で外出できそうなら、あえてそのようにしてもらうこともあります。

-「笑プラス」での仕事のやりがいは、どういったところにあるのでしょうか?
折笠) わたしはオープニングから現在までの利用者様の変化を見てきたので、本当に変わったなぁ(成長されたなぁ)と感じることが多々あります。
ある利用者様からは、叩かれたり、髪の毛をつかまれたり、そういった他害行為をされてしまうことが頻繁にありました。
おそらく何かを訴えたいからそうしている訳なので、支援としては、もっと活動の見通しを立てた方がいいと考えました。
そして、スケジュールボードの提示方法を『一日通しのスケジュール』から、『3~4項目のスケジュール』へと情報を減らしてみました。

ある日、「あれ、そういえば最近、落ち着いて過ごされてますよね」と、その方の他害行為が減ったことに気づきました。
以前はおそらく、「次は何をすればいいの!」と混乱して不安になり、助けを求めていたのだと思います。そして今は、その必要がなくなったことで、落ち着いて過ごせるようになったのだと思います。
このように、1年前・2年前との違いを感じられること、利用者様が一歩ずつ成長している姿を見られること、そしてなにより私たち支援者も一緒に成長していることを感じられることがやりがいです。

-最後に、笑プラスの利用をご検討中の皆さまに向けてのメッセージをお願いします。。
折笠) 特別支援学校などで、保護者の皆さんも色々と勉強する機会があったと思います。
ご自宅で大変なご心配やご苦労なこともある事でしょう。
なぜパニックになったのか? なぜこんな行動をするようになったのか? など、考えても理解できないことも多いと思います。
色々な生活支援施設を体験しながら、笑プラスのTEACCHプログラムに基づいた支援もぜひ見学体験に来てください。
1歩ずつゆっくりとステップアップしながら、よりよい環境で生活の質を上げていければと思います。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

-簡単な自己紹介をお願いします。
岩田) 生活支援員の岩田です。
乗馬療育のボランティアをはじめ、移動支援や行動援護、放課後等デイサービス、生活介護など、障害のある人たちと20年近く関わってきました。
-障害福祉の仕事に長く携わってきた理由を教えてもらえますか?
岩田) ボランティアをはじめる前までは税理士を目指していたのですが、とりあえずお金を稼ぐだけといった自分のことしか考えていない人生でした。
ボランティアを通して障害者の方々と携わる中で、毎日が学びで、反省で、喜びで、「こんな自分でも役に立てるんだ!」と感じる体験をさせてもらいました。
振り返ってみると、障害福祉の仕事との出会いは私にとって奇跡のようなもので、本当に天職だと感じています。

-「笑プラス」では、どのような役割を担っていますか?
岩田) まずは、安全に日中の活動をサポートすることが一番の役割になります。
実は、過去の移動支援や行動援護の経験から教訓としていることがあります。
それは「安全で安心で楽しい空間をつくること」と「楽しい時間をつくること」です。
楽しむためには安心してもらう必要があり、安心してもらうには安全な環境を提供する必要がある。という社会参加の土台の部分が大切です。

-仕事の『やりがい』については、どのようなところで感じていますか
岩田) 過去には移動支援や行動援護といったマンツーマンの支援の仕事に長く勤めてきたこともあり、どんなことがあっても一人で解決してきたという自負があります。
ですから、利用者様が不穏なときの対応は緊張感もありますが、同時にやりがいも感じています。それは、「辛い気持ちを少しでも早く解消してあげたい」という想いから来ています。
どうしたら不穏な状態がはやく治まるか、ご本人の視点に立って懸命に考え、ある種の正解にたどり着いたときの達成感はやりがいにつながっていると思います。

-「笑プラス」の雰囲気を教えてもらえますか?
岩田) 今までのどの職場よりも良い雰囲気があります。あうんの呼吸で支援ができているときも多いので、この状態を維持していきたいと思っています。
利用者様の特性上、支援中にスタッフ同士で会話する時間は限られます。でも、利用者様がいない時間帯であれば、みんな積極的に話し合える、とても笑顔の多い職場です。
本当に明るくて優しいスタッフさんばかりなので、人見知りな私ですが、まわりの人たちに助けられています。

-最後に、「笑プラス」の利用をご検討中の支援機関やご家族のみなさんへのメッセージをお願いします。
岩田) 「笑プラス」では、問題行動といわれる部分に焦点を合わせるのではなく、一人ひとりの強みを生かした支援に取り組んでいます。
またスタッフ一人ひとりの意識が高い事業所だとも感じています。
興味を持たれたご家族や支援機関の皆様がいらっしゃいましたら、社会福祉法人SHIPに連絡してみて下さい。
ぜひお気軽に「笑プラス」の見学や体験をお申し込みくださいませ。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

-簡単な自己紹介をお願いします。
南沢)高校卒業後、福祉の専門学校へ進学し、老人保健施設で約5年勤務。その後は家庭との両立のため、特養やデイサービスで10年以上、高齢者福祉に携わってきました。
介護度の重い利用者の方々と触れ合うなかで、「言葉で支援するよりも、行動観察や行動分析のほうが力を発揮できる」と気づきました。
そこで、以前から関心のあった知的障害者支援に挑戦することを決め、「これからは、もっと学んで専門性をつけたい」と思い、障害福祉の道を選びました。

-「笑プラス」では、どのような役割を担っていますか?
南沢)まずは、安全に日中の活動をサポートすることが一番の役割になります。
実は、過去の移動支援や行動援護の経験から教訓としていることがあります。
それは「安全で安心で楽しい空間をつくること」と「楽しい時間をつくること」です。
楽しむためには安心してもらう必要があり、安心してもらうには安全な環境を提供する必要がある。という社会参加の土台の部分が大切です。

南沢)ふたつめは「運動プログラム」です。屋外ウォーキングや室内サーキットを通じて、身体を動かすだけでなく気分転換やリラックスも大切にしています。四季を感じながら歩くと、利用者様だけでなく私自身もリフレッシュできます。
実際に、外での活動を楽しみにされている利用者様は多くいらっしゃいますが、屋外活動は危険を伴うこともあり、常に緊張を強いられます。ですから、一番意識することは『安全』に屋外活動を実施することです。
ご家族から命をお預かりしていることを忘れずに、スタッフ同士で連携しながら支援しています。

-重度知的障害をお持ちの方への支援において、とくに気をつけていることはありますか?
南沢)話し言葉を持たない利用者様に対しては、視覚的ツールや、表情やしぐさ・態度といった非言語のコミュニケーションを重視しています。
とくに、利用者様がパニックになった時には、「なぜそうなっているのかを理解したい」という気持ちで関わる姿勢を大切にしています。
激しい行動を前に、私たちは無意識に、驚きや焦り、不安や無力感を覚えてしまうこともあります。そしてそれが相手に伝わり、さらに混乱を与えてしまうこともありました。
今では、落ち着いた穏やかな雰囲気を心がけることで、安全であることを共有しながら、少しずつ落ち着きを取り戻していただけるようサポートできるようになってきました。

-南沢さんは、オープニングから笑プラスに携わっておられますが、ご自身が成長を感じられたことについても教えてもらえますか?
南沢)当初は、戸惑いや自責の気持ちでいっぱいでした。
ある日、利用者様に追いかけられ、突然 頭を叩かれた時には、本当に驚きましたし、正直ちょっと泣きたくなったのを覚えています。
ところが先輩たちは冷静に「なるほど、あの場面で叩くのか」などと話していて、その姿勢に衝撃を受けました。
最初はショックや戸惑いを感じましたが、次第にそれが「行動を観察し、分析して、相手を理解する」ための大切な視点なのだとわかってきました。
やがて私も、「どんな刺激がその行動につながったのか」「本人からはどう見えていたのか」という視点を持てるようになっていきました。

-最後に、笑プラスの利用をご検討中の皆さまに向けてのメッセージをお願いします。
南沢)笑プラスでは新たに音楽療法や室内サーキットを導入し、利用者様のQOL向上と活動の幅を広げています。新しいチャレンジができたのは、日々の安定した活動の基盤が整ったからこそです。
そして、表情豊かで意欲的な利用者様の姿から、社会性やコミュニケーション力の成長の可能性も感じています。
笑プラスは、利用者様とスタッフがともに成長し、社会にとっても重要な役割を担っているという自覚を持って日々支援に取り組んでいます。
見学からでも結構ですので、ぜひ、笑プラスにお越しいただけたら嬉しく思います。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。
